「人や組織がもっと生き生きとなればいいのに」「生き生きするように何かできないか」と考えて、自ら学んでいる方も多いのではないでしょうか。
私自身もその一人ですが、人・組織に関する理論や資格があまりにも多く、時間もお金も限られている為、全てを学ぶことは難しいのが現実です。
そこで、今回は、私が学んできた「プロセスワーク」について記事をまとめ、学びを共有していきたいと思います。
これを読むことで、プロセスワークの基本的な概念や、プロセスワークを実際に扱うときの一連の流れを知ることができます。
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3ステップで分かる!プロセスワーク入門(スキル説明付) vol.02
2020/9/1
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3ステップで分かる!プロセスワーク入門(スキル説明付) vol.03
2020/9/1
私自身は、一般社団法人日本プロセスワークセンター主催、桑原香苗さんが講師を務める「プロセスワーク入門~健やかなシステムを育む」にて学ばせていただきました。
香苗さんのコースはおそらく毎年開催されているので、興味がある方はぜひ参加してみてください。香苗さんは私の尊敬する人で、とてもチャーミングな方ですが、たゆむことなく実践と研究を積み重ねていらっしゃる方です。
目次
なぜプロセスワークが誕生したのか?
プロセスワークの創始者は、アーノルド・ミンデル(Arnold Mindell)さんです。
中学や高校生の頃からフロイトやユングに関心を抱いていましたが、マサチューセッツ工科大学大学院で物理学を専攻し、一時期は理系の道を進んでいました。
その後、縁あってユング心理学に再会。研究分野として、物理学かユング心理学のどちらかを選択する必要に迫られましたが、結局、ユング心理学の分析家となりました。
数々多くの臨床研究の実践や、シャーマニズムに触れる等の体験を通して、1970年代にプロセス指向心理学(Process Oriented Psychology)を創始。
当時、ユング心理学は夢分析が伝統的な手法でした。しかしながら、上記の実践や体験を通して、身体に着目したアプローチを独自に研究し続け、今のプロセスワークを創りあげてきています。
プロセスワークとは
私が教わった香苗さんは「プロセスワークとは何か?」と聞かれた時にこう答えるようです。
最近は「人が気づいていない自分や組織や社会の可能性に気づき、実現していくのをサポートする手法です」と答えることが多いです。
「プロセスワーク入門~健やかなシステムを育む」のPeatixより引用
プロセスワークでは「現実」を三段階のレベルに区別しています。
支援者(コーチまたはカウンセラー)は、クライアントと接する際に、それぞれの「現実」毎のレンズを使い分けながら対応します。
ここでは、それぞれのレンズについて説明していきます。
合意された現実
まず、一つ目は、「合意された現実(Consensus Realiy/CR)」と呼ばれます。多く人が合意できる観察可能な、客観的事実・行動・言動です。
例えば、私が椅子に座り、モニターを目の前にして、指がキーボードを打ち込むことで、この記事を書いてることは「合意された現実」といえるでしょう。
ドリームランド
二つ目は、「ドリームランド(Dreamland/DL)」です。他者と合意しにくいレベルの感情・感覚・想い・身体的感覚などの主観的な真実です。
「合意された現実」を生み出すエネルギーと考えられています。例えば、私は記事を書いているのと、同時に、腰が痛いという身体的な感覚もあります。
エッセンス
三つ目は、「エッセンス(Essence/E)」と呼ばれ、自分自身も感じにくい、微細なエネルギーです。「合意された現実」「ドリームランド」を生み出すエネルギーと考えられています。
記事を書くだけなのに、自分の中に相反するエネルギーが存在しています。
例えば、「記事を書いて色んな人に知識を共有したい(DL)」という想いと、「腰が痛いから休みたい(DL)」という身体的な声があります。
この状況に対し、プロセスワークでは両方のエネルギーを排除することなく、自分に対して恩恵を与えてくれる存在だと捉え、体系化されたエクササイズを行います。
このエクササイズを通して、「エッセンス」を掴みにいきます。例えば、上記の例の場合、「継続的に、色んな人に知識を共有するために、健康も大切にしたい」という本当の願いが私の中にあると気づけるのです。
そして、この本当の願いを日常生活に還元した場合には、体にフィットした椅子を買うといった行動を取れるようになるのです。
まとめ
プロセスワークという言葉を初めて聞いた方、言葉は知ってるけど内容については知らないという方が多いのではないでしょうか。
今回は、プロセスワークが生まれた背景と大まかなイメージを掴んでいただきました。
プロセスワークとは、支援者(コーチまたはカウンセラー)が、レンズをうまく使い分けながら、クライアントの可能性を見つけられる手法だということが分かります。
さて、次回のプロセスワーク入門編 vol.02(コアスキル準備編)では、このサポートに関するコアスキルについてお話したいと思います。