「人や組織がもっと生き生きとなればいいのに」「生き生きするように何かできないか」と考えて、自ら学んでいる方も多いのではないでしょうか。
私自身もその一人ですが、人・組織に関する理論や資格があまりにも多く、時間もお金も限られている為、全てを学ぶことは難しいのが現実です。
そこで、今回は、私が学んできた「プロセスワーク」について記事をまとめ、学びを共有していきたいと思います。
これを読むことで、プロセスワークの基本的な概念や、プロセスワークを実際に扱うときの一連の流れを知ることができます。
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3ステップで分かる!プロセスワーク入門(スキル説明付) vol.01
2020/9/1
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3ステップで分かる!プロセスワーク入門(スキル説明付) vol.03
2020/9/1
目次
プロセスワークのコアスキル(準備編)
コアスキル活用編を紹介する前に、知っておきたいキーワードを説明していきます。
プロセス構造
プロセスワークでは、意識状態の構造を整理しています。
一次プロセス
「自分が認識している自分自身や行動・体験」のことを指します。
例えば、「あなたは何者ですか?」と問われたときに、浮かんでくる答えが一次プロセスだといえます。
二次プロセス
「自分が認識していない自分自身や行動・体験」のことを指します。
例えば、「●●さん(あなたのお名前)は何者ですか?」と周りにいる人に聞いたときに浮かんでくる答えの内、あなた自身が馴染みのない答えが二次プロセスだといえます。
エッジ
一次プロセスと二次プロセスの間に存在している境界のことです。
エッジは、今まで培ってきた経験や価値観から創りあげられています。
例えば、友人から新しいことを始めようよと言われた時に、「無理」「ダメ」等が浮かんできたら、そこにエッジが存在します。
そのエッジは、日常的な一次プロセスを、非日常的な二次プロセスから守るために存在しています。一次プロセスの視点から見ると、二次プロセスは受け入れにくい存在なのです。
シグナル
誰かと会話しているときに、目の前にいる人は言語的にも非言語的にも、何かのメッセージを発しています。支援者(コーチまたはカウンセラー)はそのメッセージを区別して捉える必要があります。
言語シグナル
目の前にいる人が発している言葉や、書いた文字は言語シグナルといえます。
非言語シグナル
目の前にいる人の表情や動作、話していて突然何かが割り込んでくる等の本人以外から生じている環境的な事柄は非言語シグナルといえます。
ダブルシグナル
発せられるシグナルの内で、話し手が意図していない状態はダブルシグナルといえます。
例えば、目標達成に向けて頑張ると決めた人が、行動しないのであれば、言動と行動が異なるのでダブルシグナルが発せられていると捉えます。
この状態を二次プロセスの現れだと捉えることもでき、支援するときの糸口になっていくのです。
フィードバック
支援者が目の前にいる人に何らかの形で介入することがありますが、その介入を受けて返ってくるシグナルのことを指します。
ネガティブ・フィードバック
介入に対する反応があまりないときのシグナルのことを指します。
ポジティブ・フィードバック
介入に対する反応が大きいときのシグナルのことを指します。
例えば、介入をしたときに、相手が大きく動いたり、「う~ん」と考え込んだりするときにはポジティブ・フィードバックが返ってきたと捉えます。
介入したときに、さらに踏み込んで介入するかどうかを決めるときには、ポジティブ・フィードバックがあるかないかで判断します。
ポジティブ・フィードバックがある場合には、その部分に関して介入を継続します。
まとめ
今回は、実際に支援するときに必要となる基本的な考え方をお伝えしました。意識状態の構造を理解して、どのようなポイントを押さえて介入するかが少しずつ見てきたと思います。
次回は、プロセスワーク入門編 vol.03(コアスキル活用編)では、実際にどのように扱っていくことができるのかをお話したいと思います。